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小説『悲鳴伝』あらすじ、登場人物、見どころ、評判、おすすめ、作品情報
- あらすじ
- 登場人物
- 見どころ
- 感想・レビュー・口コミ・評判
- どんな人におすすめ?
- 作品情報
あらすじ・ネタバレ
『悲鳴伝』は、西尾維新による小説で、2012年10月25日に起こった「大いなる悲鳴」と呼ばれる謎の災害によって、人類の3分の1が死んでしまった世界を舞台にしています。
物語は、その災害から半年後の2013年5月27日から始まります。主人公の空々空(そらからくう)は、何事にも心を動かされない自分に悩む13歳の少年です。彼はある日、飢皿木診療所を訪れ、そこで自分の特異な性質を見出されます。空々は「地球撲滅軍」という謎の組織に勧誘され、「人類を滅ぼそうとする悪しき地球と戦うヒーローになってほしい」と頼まれます。
空々は、感情を持たない自分を隠すために演技を続けており、その冷めた思考が逆に組織に評価されます。彼は「地球陣」と呼ばれる存在を見ても動じない素質を持っているため、地球撲滅軍に参加することになります。
物語の中で、空々は透明化ボディスーツ「グロテスク」や、「地球陣」を見破ることができるゴーグル「実検鏡」を支給されます。彼の隣には、地球撲滅軍の隊員である剣藤犬个(けんどうけんか)という少女がいます。彼女は、空々の身の回りの世話をしながら、必要であれば彼の始末も行うという役割を担っています。
このように、空々は地球撲滅軍の一員として、地球との壮大な戦いに巻き込まれていきます。彼がどのようにして自分の無感情と向き合い、地球との戦いに挑むのかが物語の中心となります。
登場人物・キャラクター
- 空々空(そらから くう)は、物語の主人公で13歳の少年です。彼は左利きですが、鉛筆や箸は右手で使います。感情が乏しく、何事にも心を動かされないため、それを隠すために演技を続けることに苦しんでいます。地球撲滅軍に勧誘され、ヒーローとして活動します。
- 剣藤犬个(けんどう けんか)は、地球撲滅軍の第九機動室の隊員で、本作のヒロインです。彼女はスーツ姿の女性で、空々に透明化スーツ「グロテスク」を渡しに来た人物です。
- 飢皿木鰻(きさらぎ うなぎ)は、飢皿木診療所の所長で、地球撲滅軍の協力者です。彼は空々の特異な性格を見出し、彼の心の支えとなる人物です。家庭では妻と娘がいますが、既に離婚しています。
- 牡蠣垣閂(かきがき かんぬき)は、地球撲滅軍の一員で、物語における重要なキャラクターの一人です。
- 氷上法被(ひがみ はっぴ)は、地球撲滅軍のメンバーで、物語において重要な役割を果たします。
見どころ
見どころは『悲鳴伝』の独特なキャラクターとストーリー展開です。この作品は、西尾維新の〈伝説〉シリーズの一部であり、彼の独特な世界観が存分に表現されています。
まず、キャラクターたちは個性的で、他のシリーズの登場人物と比べても人付き合いが苦手で、勝手なところがあります。しかし、だからこそ彼らの言葉や行動に共感できる部分が多く、読者の心を打ちます。特に、作品を通じて成長していくキャラクターの姿が魅力的で、彼らの冒険に引き込まれること間違いなしです。
また、物語の展開も見どころです。『悲鳴伝』は、読者を驚かせるような展開が多く、先が読めないストーリーが続きます。これにより、読者は常に新しい発見や驚きを楽しむことができます。西尾維新の作品に共通する、予測不可能な展開と緻密なプロットが、読者を飽きさせません。
このように、『悲鳴伝』はキャラクターの魅力とストーリーの面白さが際立っており、読む価値のある作品です。
感想・レビュー・口コミ・評判
この作品は、独特な評価を受けています。まず、物語の進行においては、伏線が丁寧に張られており、物語シリーズのような甘さやご都合主義がない点が特徴とされています。西尾維新の他の作品とは少し異なる味わいを感じるという声があります。
一方で、全体の話の流れは良いものの、多くの部分が登場人物の会話に費やされており、そのために冗長に感じられることもあるという意見もあります。会話が多すぎて、読んでいて疲れると感じる読者もいるようです。
また、この作品は西尾維新の中で最長作品であり、2段組で500ページを超えるボリュームですが、内容が難解ではないため、1日で読み切ることができたという感想もあります。作品の厚さに驚く一方で、その読みやすさに驚く読者もいます。
このように、『悲鳴伝』は、西尾維新の作品の中でも特にボリュームがあり、伏線の張り方や会話の多さなど、好みが分かれる作品となっています。全体としては、独特の魅力を持つ作品と評価されています。
どんな人におすすめ?
「悲鳴伝」は、西尾維新の作品が好きな人に特におすすめです。この作品は、西尾維新のエッセンスが凝縮されており、彼の独特な世界観やストーリー展開を楽しむことができます。物語の意外性やテンポの良さ、そして予想を裏切る展開が魅力です。西尾維新の他の作品にあるような甘さやご都合主義が少なく、伏線が丁寧に張られているため、深く考えながら読み進めることができます。
また、壮大なスケールの物語が好きな人にも向いています。主人公の空々空(そらからくう)が、地球撲滅軍とともに人類を救うために戦うというストーリーは、ヒーロー譚としての魅力を持っています。物語は、日常の終わりから始まり、壮大で荒唐無稽な展開が続きますが、それがかえって新鮮で面白いと感じる人も多いでしょう。
ただし、西尾維新の言葉遊びや蛇足が苦手な人には、冗長で退屈に感じられるかもしれません。この作品はシリーズ化されており、続編は異なる作りになっているため、シリーズ全体を通して楽しめるかどうかは個人の好みによるところが大きいです。
「悲鳴伝」は、特に暇で続きが気になる方におすすめです。物語のボリューム感があり、飽きることなく読み進められる内容ですので、時間をかけてじっくりと楽しみたい人に向いています。
作品情報